規矩文鎮

きくぶんちん
     

今回は、卓上で手紙を書くときや小品を揮毫する際に使う、便利グッズのような文鎮をご紹介します。
「規矩」の「規」は「ぶんまわし〔コンパス〕、はかる、きそく」。「矩」は「定規〔さしがね〕、直線・直角、きまり」の意味があります。いずれも、きっちりと測って印(しるし)をつける、基準とするという意味です。この文鎮は、単なる紙押さえの用途だけでなく、行がそろっているか確認したり、行を進める際の基準に使うことができます。
通常の文鎮よりも厚みが薄く、重さの割に紙に接する面積が広いため、滑らかに紙の上を滑ってくれます。また、文鎮の上に手を置いて書くにもちょうどよい厚みなのです。また、ここで紹介するものは、四隅にL字型のほぞを切って可動式になっています。折りたためば一本の棒状になりコンパクトなので携帯にも便利です。
寸法は縦143㎜、横70㎜、厚さ4㎜、重さ144gです。
規矩文鎮の多くは接合部が可動しないもので、四角の枠状です。また形が円形のものもあります。素材はいずれも、白銅〔銅とニッケルの合金〕や黄銅〔銅と亜鉛の合金、真鍮とも呼ばれる〕製のものがほとんどです。それは鉄などに比べて柔らかく、加工がしやすいためです。
用途だけではなく、文字を書く周辺の愉しみとして、この文鎮にも意匠を凝らした部分があります。拡大写真で見ると表面に文様が彫られています。これは漢時代につくられた屋根瓦〔瓦当〕やレンガ〔磚〕に、篆書や隷書で刻まれた吉祥語句をデザインしたものです。
四角く広げていると、それぞれの辺に文様がありますが、文鎮を閉じて一本の棒状にすると、文様が繋がるようになっています。ちょっとした工夫が道具を使う時の楽しみになるように考えられています。(教師月報  2020年2月号)

                                           
作品名規矩文鎮
ふりがなきくぶんちん
作者不詳
国名中国
制作年不詳
寸法縦143㎜、横70㎜、厚さ4㎜、重さ144g
目録番号CD-0095/CD-0114

今回は、卓上で手紙を書くときや小品を揮毫する際に使う、便利グッズのような文鎮をご紹介します。
「規矩」の「規」は「ぶんまわし〔コンパス〕、はかる、きそく」。「矩」は「定規〔さしがね〕、直線・直角、きまり」の意味があります。いずれも、きっちりと測って印(しるし)をつける、基準とするという意味です。この文鎮は、単なる紙押さえの用途だけでなく、行がそろっているか確認したり、行を進める際の基準に使うことができます。
通常の文鎮よりも厚みが薄く、重さの割に紙に接する面積が広いため、滑らかに紙の上を滑ってくれます。また、文鎮の上に手を置いて書くにもちょうどよい厚みなのです。また、ここで紹介するものは、四隅にL字型のほぞを切って可動式になっています。折りたためば一本の棒状になりコンパクトなので携帯にも便利です。
寸法は縦143㎜、横70㎜、厚さ4㎜、重さ144gです。
規矩文鎮の多くは接合部が可動しないもので、四角の枠状です。また形が円形のものもあります。素材はいずれも、白銅〔銅とニッケルの合金〕や黄銅〔銅と亜鉛の合金、真鍮とも呼ばれる〕製のものがほとんどです。それは鉄などに比べて柔らかく、加工がしやすいためです。
用途だけではなく、文字を書く周辺の愉しみとして、この文鎮にも意匠を凝らした部分があります。拡大写真で見ると表面に文様が彫られています。これは漢時代につくられた屋根瓦〔瓦当〕やレンガ〔磚〕に、篆書や隷書で刻まれた吉祥語句をデザインしたものです。
四角く広げていると、それぞれの辺に文様がありますが、文鎮を閉じて一本の棒状にすると、文様が繋がるようになっています。ちょっとした工夫が道具を使う時の楽しみになるように考えられています。(教師月報  2020年2月号)

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