蘭亭曲水図屏風

らんていきょくすいずびょうぶ
     

蘭亭曲水(らんていきょくすい)は、中国東晋時代の永和9年(353)3月3日、浙江省の蘭亭に王羲之(303?~361?)が文士41名を集め禊ぎを行った故事に由来し、曲折した流水に杯を流し自らの前を過ぎるうちに作詩をする趣向が催された。王羲之の「蘭亭序(らんていじょ)」はこの時に詠まれた詩集の序文である。
日本では日本書紀の時代より宮中で行われたという記録があり、奈良時代には恒例行事として定着する。やがて、藤原道長(966~1028)をはじめとする貴族たちの邸宅でも催されるようになり、現在では各地の寺社で見ることが出来る。
これを画題にした蘭亭曲水図は、高潔な文人の営みに憧れた文人画の画題に多く取り上げられた。描かれた人物たちは、詩を詠むことよりも、「罰酒(ばっしゅ)」であるはずの酒を進んで楽しんでおり、微笑ましい情景である。
また、この作品は、構図において大変興味深く、蘭亭を左隻に描き、右隻へと川が流れていくことで、江戸時代に描かれた掛幅等に比べ、比較的珍しいものである。
なお、屏風一双の裏面には、53枚の宝船図が貼り込まれており、そこから制作年は大正11年(1921)以前と判明する。
【参考文献】
寺前公基「「蘭亭曲水図屏風」裏面に貼り込まれた「宝船図」について」(『観峰館紀要』第12号、2017年)

観峰館紀要 第12号

                                           
作品名蘭亭曲水図屏風
ふりがならんていきょくすいずびょうぶ
作者不詳
国名日本
制作年江戸時代後期~明治時代
寸法各154.2×348.6cm
目録番号日-屏-016

蘭亭曲水(らんていきょくすい)は、中国東晋時代の永和9年(353)3月3日、浙江省の蘭亭に王羲之(303?~361?)が文士41名を集め禊ぎを行った故事に由来し、曲折した流水に杯を流し自らの前を過ぎるうちに作詩をする趣向が催された。王羲之の「蘭亭序(らんていじょ)」はこの時に詠まれた詩集の序文である。
日本では日本書紀の時代より宮中で行われたという記録があり、奈良時代には恒例行事として定着する。やがて、藤原道長(966~1028)をはじめとする貴族たちの邸宅でも催されるようになり、現在では各地の寺社で見ることが出来る。
これを画題にした蘭亭曲水図は、高潔な文人の営みに憧れた文人画の画題に多く取り上げられた。描かれた人物たちは、詩を詠むことよりも、「罰酒(ばっしゅ)」であるはずの酒を進んで楽しんでおり、微笑ましい情景である。
また、この作品は、構図において大変興味深く、蘭亭を左隻に描き、右隻へと川が流れていくことで、江戸時代に描かれた掛幅等に比べ、比較的珍しいものである。
なお、屏風一双の裏面には、53枚の宝船図が貼り込まれており、そこから制作年は大正11年(1921)以前と判明する。
【参考文献】
寺前公基「「蘭亭曲水図屏風」裏面に貼り込まれた「宝船図」について」(『観峰館紀要』第12号、2017年)

観峰館紀要 第12号

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