本作は、秦時代に製作された「権量銘」に記された文字を臨書したものです。
「権量銘」は、秦時代に作られた度量衡の標準器に記された文章です。「度」は長さ、「量」は体積、「衡」は質量を指します。これらを図る時の基準となるのが「権」と「量」です。「権」は天秤ばかりに載せるおもり、「量」は枡ばかりのことを指しています。
曾煕による臨書作品を見ると、震えを伴う線が多く表れています。これは、長い年月を経て伝わってきた古代の金石文を想起させる表現です。
よく見ると、線には震えが伴うだけではなく、所々にカスレが生じています。このような線によって本作は、文字が常に振動しているような独特の動きを鑑賞者に感じさせます。
作者の曾煕は清末の官僚で、中華民国4年(1915)以降は上海で書画家として活躍した人物です。門下に画家として著名な張大千(1899~1983)がいます。
作品名 | 篆書臨秦権量銘軸 |
ふりがな | てんしょりんしんけんりょうめいじく |
作者 | 曾熙 |
国名 | 中国 |
制作年 | 清末~民国 |
寸法 | 129.7×31.7cm |
目録番号 | 4A-4186 |
釈文 | 廿六年皇帝尽并兼天下諸侯 黔首大安立号為皇帝乃詔丞相 綰法度量則不壹兼并 秦権諸刻皆毀遺法礼 器碑従此出也 熙 |
本作は、秦時代に製作された「権量銘」に記された文字を臨書したものです。
「権量銘」は、秦時代に作られた度量衡の標準器に記された文章です。「度」は長さ、「量」は体積、「衡」は質量を指します。これらを図る時の基準となるのが「権」と「量」です。「権」は天秤ばかりに載せるおもり、「量」は枡ばかりのことを指しています。
曾煕による臨書作品を見ると、震えを伴う線が多く表れています。これは、長い年月を経て伝わってきた古代の金石文を想起させる表現です。
よく見ると、線には震えが伴うだけではなく、所々にカスレが生じています。このような線によって本作は、文字が常に振動しているような独特の動きを鑑賞者に感じさせます。
作者の曾煕は清末の官僚で、中華民国4年(1915)以降は上海で書画家として活躍した人物です。門下に画家として著名な張大千(1899~1983)がいます。