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春季企画展「点は墜石のごとく-顔真卿書法とその継承者たち-」

     

新館 特別展示室

開催日: 2018年4月14日 - 2018年6月24日カテゴリー:

 

【展覧会概要】

中国書法史において唐の四大家に数えられる顔真卿(709~785)は、力強い独特な楷書を創出するとともに、行書や草書でも数々の傑作を残し、それまで絶対的存在であった優美な王羲之書風に一石を投じました。彼の書風(=顔法)は、たとえ皇帝・宰相に対しても道理を貫き、安史の乱に際しては義勇軍を率いて奮戦するなどした剛直な人柄が感じられることもあり、後世の書人たちから高く評価されています。

特にその楷書は、「蚕頭燕尾(さんとうえんび)」と形容される雄渾(ゆうこん)なもので、強く打ちこまれる起筆や紙背にまで達するような勢いのある筆遣いは、「点(てん)は墜石(ついせき)のごとく、画(かく)は夏雲(かうん)のごとく、鉤(こう)は屈金(くっきん)のごとく、戈(か)は発弩(はつど)のごとく(点は石を落したよう、線は夏の雲のよう、転折は金属を曲げたよう、戈法は強弓を放つよう)」と評され、今日使われている活字のモデルにもなっています。

本展では、観峰コレクションより顔真卿の書を拓本資料によって紹介するとともに、近代中国書法資料から、顔法の影響を受けた作家の作品を選び抜いて展示します。顔法を忠実に継承するものや、顔法を基礎にし、さらに独自の表現を創りだしたものなど、さまざまな書作品から、顔真卿の影響を感じ取っていただければ幸いです。

 

【主な展示作品】

翁同龢《楷書八言対聯》清時代後期

伊立勲《楷書臨多宝塔碑軸》中華民国7年(1918)

銭灃《楷書軸》清時代中期 乾隆後期(1770年頃)

華世奎《楷書八言対聯》中華民国21年(1932)

何紹基《楷書八言対聯》清時代後期 道光20年(1840)頃

何紹祺《臨顔真卿巻》清時代後期 道光29年(1849)

何維樸《顔法細楷書冊》中華民国3年(1914)

孫廷翰《楷書七言対聯》清時代末期~中華民国初期

曾黙躬《楷書臨麻姑仙壇記四屏》中華民国26年(1937)

 

【関連出版物】

展覧会の実施報告が掲載されています。

観峰館紀要 第13号

 

【同時開催】

歴史を伝えた人々ー江戸・明治の学術書からー/金石家の書画

【次回の展覧会】

夏季企画展「日本習字創立65周年記念 原田観峰の書 観峰ー瞬間(とき)の息吹ー」

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