秋風冷艶図

しゅうふうれいえんず
     

趙之琛(ちょうしちん 1781~1852)は字を次閑(じかん)といい、献父(けんふ)と号しました。清代の著名な篆刻家・書画家です。金石学に精しく、書は各体ともに善くし、絵画は清雅であると評されます。
本作は、茶壷(急須)に菊を配したもので、やはり文人の生活を彩るアイテムです。茶は文人の嗜みですし、菊は「四君子」の一つで、題名に「秋風冷艶」とあるように、晩秋の寒風の中でも華やぐ気高さの象徴です。清初の収蔵家で、花卉・花鳥画を得意とした忘菴老人王武(1632~1690)に倣った作であるとあります。
花びらの一枚一枚を線でくくる鉤勒法(こうろくほう)で描くことで、花の生命感を際立たせています。菊が差してあるかのように置かれた茶壺は、文人趣味の表出で、ずんぐりした僅かにいびつな形がより上品さを高かめています。一輪こぼれは小花が情味を添えています。

                                               
作品名秋風冷艶図
ふりがなしゅうふうれいえんず
作者趙之琛
国名中国
制作年清時代後期
寸法96.2×33.7cm
目録番号4b-0173
釈文秋風冷艶 撫忘菴老人筆意 次閑趙之琛

趙之琛(ちょうしちん 1781~1852)は字を次閑(じかん)といい、献父(けんふ)と号しました。清代の著名な篆刻家・書画家です。金石学に精しく、書は各体ともに善くし、絵画は清雅であると評されます。
本作は、茶壷(急須)に菊を配したもので、やはり文人の生活を彩るアイテムです。茶は文人の嗜みですし、菊は「四君子」の一つで、題名に「秋風冷艶」とあるように、晩秋の寒風の中でも華やぐ気高さの象徴です。清初の収蔵家で、花卉・花鳥画を得意とした忘菴老人王武(1632~1690)に倣った作であるとあります。
花びらの一枚一枚を線でくくる鉤勒法(こうろくほう)で描くことで、花の生命感を際立たせています。菊が差してあるかのように置かれた茶壺は、文人趣味の表出で、ずんぐりした僅かにいびつな形がより上品さを高かめています。一輪こぼれは小花が情味を添えています。

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