全14行、毎行26字。「拪先塋」とは「先塋(せんえい)を拪(うつ)す」と読み、祖先の墓を移すことをいう。碑文には、李季卿(?~767)の兄弟が相継いで亡くなったので、方士に占わせ、その言によって先祖の墓を移したことが記されている。
碑文の筆者は、唐時代の書家・李陽冰(生卒年不詳)。彼は、同時代の顔真卿(709~785)の石碑にも多くの篆額を残す、篆書の大家であった。「拪先塋記碑」の原石は早くに失われており、現在見ることが出来るのは宋の大中祥符3年(1010)に作られた重刻本である。本作も重刻ではあるが、筆圧を一定に保って引かれた線と均整のとれた字形は、唐時代に流行した李陽冰の篆書を想起させてくれる。
【参考文献】
文字文化研究所編『唐代の碑刻』平安文化センター、1988年
作品名 | 拪先塋記碑 |
ふりがな | せんせんえいきひ |
作者 | 李陽冰 |
国名 | 中国 |
制作年 | 唐時代 大暦2年(767)刻/宋時代 大中祥符3年(1010)重刻 |
寸法 | 170.5×81.8cm |
目録番号 | 拓整ー0008 |
全14行、毎行26字。「拪先塋」とは「先塋(せんえい)を拪(うつ)す」と読み、祖先の墓を移すことをいう。碑文には、李季卿(?~767)の兄弟が相継いで亡くなったので、方士に占わせ、その言によって先祖の墓を移したことが記されている。
碑文の筆者は、唐時代の書家・李陽冰(生卒年不詳)。彼は、同時代の顔真卿(709~785)の石碑にも多くの篆額を残す、篆書の大家であった。「拪先塋記碑」の原石は早くに失われており、現在見ることが出来るのは宋の大中祥符3年(1010)に作られた重刻本である。本作も重刻ではあるが、筆圧を一定に保って引かれた線と均整のとれた字形は、唐時代に流行した李陽冰の篆書を想起させてくれる。
【参考文献】
文字文化研究所編『唐代の碑刻』平安文化センター、1988年