篆書六言対聯

てんしょろくごんついれん
     

呉秉権(1832~1881)「篆書六言対聯」は、第一聯に考亭(=朱熹、1130~1200、朱子学の祖)が半日静かに端坐して心を落ち着け、半日学問に没頭した故事を、第二聯に欧陽脩(1007~1072)「秋声賦」の冒頭を引用し、平穏と知識を重んじることを表しています。

篆書とは、そもそも広い意味では、甲骨文字から金文、石鼓文などをすべて含んだ分類です。この作品は、秦の始皇帝(前259~前210)が文字を統一した時に、宰相(首相)李斯(?~前210)に作らせた「小篆」で書かれています。線の太さは均一で、水平垂直・角は湾曲、左右対称、線間は均一などの決まりがあり、整っていますが、書くのに時間がかかり自由な表現が乏しい書体です。ただ、文字の歴史を思う時、言葉や文字の持つ神性を長く伝えた形で、悠久の得の流れを感じさせます。

                                               
作品名篆書六言対聯
ふりがなてんしょろくごんついれん
作者呉秉権
国名中国
制作年清時代後期
寸法各108.0×21.5cm
目録番号4A-0863
釈文考亭半日静坐 欧陽方夜読書 経可呉秉権書

呉秉権(1832~1881)「篆書六言対聯」は、第一聯に考亭(=朱熹、1130~1200、朱子学の祖)が半日静かに端坐して心を落ち着け、半日学問に没頭した故事を、第二聯に欧陽脩(1007~1072)「秋声賦」の冒頭を引用し、平穏と知識を重んじることを表しています。

篆書とは、そもそも広い意味では、甲骨文字から金文、石鼓文などをすべて含んだ分類です。この作品は、秦の始皇帝(前259~前210)が文字を統一した時に、宰相(首相)李斯(?~前210)に作らせた「小篆」で書かれています。線の太さは均一で、水平垂直・角は湾曲、左右対称、線間は均一などの決まりがあり、整っていますが、書くのに時間がかかり自由な表現が乏しい書体です。ただ、文字の歴史を思う時、言葉や文字の持つ神性を長く伝えた形で、悠久の得の流れを感じさせます。

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