本作は、王羲之(303?~365?)の尺牘(手紙)《昨故遣書帖》を臨書したものです。
許乃普による臨書作品を見ると、柔らかで肥痩のある線質が用いられています。縦長の紙に一気に書き下ろしており、書き進める中で自然と生じた線の肥痩や濃淡が魅力的です。
よく見ると、起筆(点画の書き始め)には、それほど筆先が鋭く出ていません。日ごろから使い込んで、先の少し短くなった筆を使って書いているのかもしれません。
紙面には薄く罫線が引かれています。字の大小に変化をつけつつも、行をまっすぐ通して整然と文字を並べている作品です。
作者の許乃普は清時代後期の官僚で、書法を得意とした人物です。王羲之とその子・王献之(344~386)の書をよく学んだと言われます。
作品名 | 草書臨王羲之昨故遣書帖軸 |
ふりがな | そうしょりんおうぎしさくこいしょじょうじく |
作者 | 許乃普 |
国名 | 中国 |
制作年 | 清時代後期 |
寸法 | 173.9×40.1cm |
目録番号 | 4A-2522 |
釈文 | 羲之白昨故遣書當不相遇知君還喜慰足下時 今善除猶耿耿仆時行以十一日而不保如比日便成委 頓今日猶當小勝不知能轉佳不積不〓至劣劣力還不具 王羲之 篴楼世二兄属即正弟許乃普 |
本作は、王羲之(303?~365?)の尺牘(手紙)《昨故遣書帖》を臨書したものです。
許乃普による臨書作品を見ると、柔らかで肥痩のある線質が用いられています。縦長の紙に一気に書き下ろしており、書き進める中で自然と生じた線の肥痩や濃淡が魅力的です。
よく見ると、起筆(点画の書き始め)には、それほど筆先が鋭く出ていません。日ごろから使い込んで、先の少し短くなった筆を使って書いているのかもしれません。
紙面には薄く罫線が引かれています。字の大小に変化をつけつつも、行をまっすぐ通して整然と文字を並べている作品です。
作者の許乃普は清時代後期の官僚で、書法を得意とした人物です。王羲之とその子・王献之(344~386)の書をよく学んだと言われます。