墨松図

ぼくしょうず
     

曾熙(1861~1930)は字を子緝といい、農髯と号した。官吏を辞めた後、上海で書画を売って生活しました。書にたくみで張大千(18991983)の師にあたり、絵画は60歳以降に志しました。

松は「三友」の一つに数えられ、寒中にも色褪せず、清廉潔白で孤高な文人の気概を象徴する植物です。本作でも、「松の独特な幹や葉は、山岳川谷の気を受けたもので、一般の木とは異なる」とあります。また、金石文の筆法で描いたと記されていますが、これは写実性ではなく、精神性を重んじる文人画の思想を反映したものでしょう。

                                               
作品名墨松図
ふりがなぼくしょうず
作者曾熙
国名中国
制作年民国12年(1923)
寸法127.0×58.5cm
目録番号4b-0170
釈文古人称松得山岳川谷之正気故松骨〓以 奇異而葉亦独禀陽気与凡木異髯〓以三代鼎 彝之用筆写之未識 仲蕃烟先生視之為何如癸亥上巳熙

曾熙(1861~1930)は字を子緝といい、農髯と号した。官吏を辞めた後、上海で書画を売って生活しました。書にたくみで張大千(18991983)の師にあたり、絵画は60歳以降に志しました。

松は「三友」の一つに数えられ、寒中にも色褪せず、清廉潔白で孤高な文人の気概を象徴する植物です。本作でも、「松の独特な幹や葉は、山岳川谷の気を受けたもので、一般の木とは異なる」とあります。また、金石文の筆法で描いたと記されていますが、これは写実性ではなく、精神性を重んじる文人画の思想を反映したものでしょう。

KAMPO MUSEUM IN SHIGA ©︎ All Rights Reserved