弦高(生卒年不詳)は春秋時代の行商人でした。あるとき、道で秦国の軍勢に出くわし、彼らが密かに自分の祖国である鄭国を攻撃しようとしていることを知ります。そこで弦高は、鄭国に使いを走らす一方で、自分は鄭君からの使いだと偽り、十二頭の牛を贈って秦軍を犒いました。秦軍は、鄭国が自分たちの急襲をすでに察知していると思い込み、勝利を得ることができないと判断して撤退してしまいました。弦高の機知と、商人でありながら利益を度外視する献身的な活躍で、鄭国は危機から救われたのでした。「弦高犒師」は、愛国の故事として伝えられています。
作品名 | 弦高犒師図 |
ふりがな | げんこうこうしず |
作者 | 張聿光 |
国名 | 中国 |
制作年 | 清末~民国 |
寸法 | 202.3×55.7cm |
目録番号 | 4b-0219 |
釈文 | 弦高犒師 弦高販牛為業近黎陽津遇故人蹇他聞 得秦遣三師於十二月丙戌出兵伐鄭弦高心生 一計遣人奔告鄭国一面選下肥牛作犒軍礼至 滑国遇秦兵会中軍孟明曰奉鄭君之命特来犒 師恐得罪上国孟明曰奚無国書弦高曰以冬十二月 丙戌日出師寡君口授使者馳駆甚急恐失迎也孟明 知鄭有備乃引師攻滑鄭得以免秦師之襲 聿光 |
弦高(生卒年不詳)は春秋時代の行商人でした。あるとき、道で秦国の軍勢に出くわし、彼らが密かに自分の祖国である鄭国を攻撃しようとしていることを知ります。そこで弦高は、鄭国に使いを走らす一方で、自分は鄭君からの使いだと偽り、十二頭の牛を贈って秦軍を犒いました。秦軍は、鄭国が自分たちの急襲をすでに察知していると思い込み、勝利を得ることができないと判断して撤退してしまいました。弦高の機知と、商人でありながら利益を度外視する献身的な活躍で、鄭国は危機から救われたのでした。「弦高犒師」は、愛国の故事として伝えられています。