本作は唐時代の孫過庭(648?~703?)によって書かれた書論《書譜》を臨書したものです。
《書譜》は、書を論じた内容とともに、草書学習における手本として、古くから用いられてきた作品です。原本は現在、国立故宮博物院(台北)に収蔵されています。
包誠(生卒年不詳)による臨書作品を見ると、手本と異なる字形が多いようです。《書譜》に比べて縦長になっている字が散見されます。
細く縦長の紙に臨書する際に、上から下への流れを強調するような字形へと改変されているのかもしれません。
包誠は字を興言といいました。清時代後期の著名な学者・包世臣(1775~1855)の子です。
【参考文献】
志民和儀「呉譲之周辺の芸術家たち(続)収蔵品撰集1補逸」『観峰館紀要』第4号、公益財団法人日本習字教育財団観峰館、2008年
観峰館紀要 第4号
作品名 | 草書臨孫過庭書譜軸 |
ふりがな | そうしょりんそんかていしょふじく |
作者 | 包誠 |
国名 | 中国 |
制作年 | 清時代後期 |
寸法 | 134.3×20.9cm |
目録番号 | 4A-2727 |
釈文 | 至若数画並施其形各異衆点斉列為體互乗一点成一字之規一字之終篇之推遺而不同留不常遅遺 不恒疾帯橾方潤将濃遂枯泯規矩於方圓楯鉤縄之曲直乍晦若行若蔵窮変態於豪端合情調 於紙上無間心手忘懐楷則自可背義献而無失遺鍾張而尚工譬夫絳樹青琴殊姿共艶随珠和壁異 質同妍何必刻鶴圖龍意慙真體得魚獲免猶悋筌蹄 竹渓仁兄大人雅鑒 興言包誠 |
本作は唐時代の孫過庭(648?~703?)によって書かれた書論《書譜》を臨書したものです。
《書譜》は、書を論じた内容とともに、草書学習における手本として、古くから用いられてきた作品です。原本は現在、国立故宮博物院(台北)に収蔵されています。
包誠(生卒年不詳)による臨書作品を見ると、手本と異なる字形が多いようです。《書譜》に比べて縦長になっている字が散見されます。
細く縦長の紙に臨書する際に、上から下への流れを強調するような字形へと改変されているのかもしれません。
包誠は字を興言といいました。清時代後期の著名な学者・包世臣(1775~1855)の子です。
【参考文献】
志民和儀「呉譲之周辺の芸術家たち(続)収蔵品撰集1補逸」『観峰館紀要』第4号、公益財団法人日本習字教育財団観峰館、2008年
観峰館紀要 第4号