一つ一つ散り落ちる花びらの数を見て数えていたのは長い間座っていたためで、のどかに芳しい草を愛でていれば帰りも遅くなろう…北宋の王安石(1021~1086)の「北山」の 一節を引用した美人画である。人物の上方には春を呼ぶ燕が、番で描かれておいる。夫婦円満や子宝をもたらす幸福な新婚生活の象徴である。所蔵品には、銭慧安(1833~1911)が画風を学んだ費丹旭(1801~1850)の長子・費以耕(ひいこう ?~1870)の同画題の作品がある。費以耕作が短い花の命をわが身の上になぞらえ哀愁の気分を漂わすのとは対照的 に、銭の作品はどこか幻想的で華やかな雰囲気を醸し出している。
作品名 | 細数落花図 |
ふりがな | さいすうらっかず |
作者 | 銭慧安 |
国名 | 中国 |
制作年 | 清時代後期 光緒12年(1886) |
寸法 | 133.3×34.3cm |
目録番号 | 5b-0359 |
釈文 | 細数落花因坐久緩尋芳草得帰遅 丙戌新秋七月既望清谿樵子銭慧安揮汗仿白陽筆于雙管楼下 |
一つ一つ散り落ちる花びらの数を見て数えていたのは長い間座っていたためで、のどかに芳しい草を愛でていれば帰りも遅くなろう…北宋の王安石(1021~1086)の「北山」の 一節を引用した美人画である。人物の上方には春を呼ぶ燕が、番で描かれておいる。夫婦円満や子宝をもたらす幸福な新婚生活の象徴である。所蔵品には、銭慧安(1833~1911)が画風を学んだ費丹旭(1801~1850)の長子・費以耕(ひいこう ?~1870)の同画題の作品がある。費以耕作が短い花の命をわが身の上になぞらえ哀愁の気分を漂わすのとは対照的 に、銭の作品はどこか幻想的で華やかな雰囲気を醸し出している。