貫名菘翁(1778~1863)は、江戸後期の文人書画の巨匠・儒者。阿波国(現在の徳島県)に生まれる。姓は吉井、名は苞(しげる)、字を君茂(くんも)・子善(しぜん)、海屋などと号した。17歳の時に高野山に登り、空海の書法を学び、中国の法帖だけでなく、日本古代の名筆を多く学んだ。その書は、明治の日下部鳴鶴(1838~1922)により称賛され、現代の書家の中にも尊重する人が多い。
本作は六曲一双の屏風に、唐代の酒豪として知られる賀知章(659~744)・李白(701~762)ら八詩人について、杜甫が詠んだ著名な「飲中八仙歌」を揮毫したもの。
菘翁76歳時の書で、筆力みなぎる大胆な筆致は、書家としての菘翁の充実ぶりを示していよう。
作品名 | 行書飲中八仙歌屏風 |
ふりがな | ぎょうしょいんちゅうはちせんかびょうぶ |
作者 | 貫名菘翁 |
国名 | 日本 |
制作年 | 江戸時代後期 嘉永6年(1853) |
寸法 | 各132.4×56.4cm |
目録番号 | 日-屏-004 |
釈文 | 恨不移封向酒泉 左相日興費万銭 飲如長鯨吸百川 銜杯楽聖称避賢 宗之瀟洒美少年 挙觴白眼望青天 皎如玉樹臨風前 蘇晋長斎繍仏前 酔中往往愛逃禅 李白一斗詩百篇 長安市上酒家眠 天子呼来不上船 自称臣是酒中仙 張旭三杯草聖伝 脱帽露頂王公前 揮毫落紙如云煙 焦遂五斗方卓然 高談雄弁驚四筵 歳癸丑之上春書於春日前庵之南栄 菘翁 |
貫名菘翁(1778~1863)は、江戸後期の文人書画の巨匠・儒者。阿波国(現在の徳島県)に生まれる。姓は吉井、名は苞(しげる)、字を君茂(くんも)・子善(しぜん)、海屋などと号した。17歳の時に高野山に登り、空海の書法を学び、中国の法帖だけでなく、日本古代の名筆を多く学んだ。その書は、明治の日下部鳴鶴(1838~1922)により称賛され、現代の書家の中にも尊重する人が多い。
本作は六曲一双の屏風に、唐代の酒豪として知られる賀知章(659~744)・李白(701~762)ら八詩人について、杜甫が詠んだ著名な「飲中八仙歌」を揮毫したもの。
菘翁76歳時の書で、筆力みなぎる大胆な筆致は、書家としての菘翁の充実ぶりを示していよう。