篆書臨函皇父簋扇面

てんしょりんかんこうふきせんめん
     

本作は、西周時代(前1045~前771)に製作された青銅器《函皇父簋》に鋳込まれている銘文を臨書したものです。《函皇父簋》の「簋」とは、穀類を盛る器のことを指します。

このように、青銅器に鋳込まれた、あるいは刻された文字は「金文」と呼ばれます。書体は篆書体ですが、秦の始皇帝(前259~前210)が定めた「小篆」よりも古いものです。

象形性が強く、また制作された地方ごとに字形が異なっており、多様な姿を見せることが「金文」の魅力です。

丁仏言(1878~1930)による臨書作品を見ると、扇面に各行2字ずつ配置することを原則として臨書しています。7行目は「自豕鼎」の3字を臨書していますが、字の大きさや配置を微妙に調整することで、違和感なく紙面に文字をおさめています。

作者の丁仏言は中華民国の政治家です。書家・詩人としても優れた作品を残しました。

                                               
作品名篆書臨函皇父簋扇面
ふりがなてんしょりんかんこうふきせんめん
作者丁仏言
国名中国
制作年民国15年(1926)
寸法49.0×17.0cm
目録番号4A-2432
釈文子明仁兄雅属  函皇 父乍 琱妘 般盉 尊器 〓鼎 自豕鼎 降十 又簋 八两 罍两 壶琱 妘其 万年 子々孫々 永宝 用  函皇父 簋金文  丙寅夏 仏言

本作は、西周時代(前1045~前771)に製作された青銅器《函皇父簋》に鋳込まれている銘文を臨書したものです。《函皇父簋》の「簋」とは、穀類を盛る器のことを指します。

このように、青銅器に鋳込まれた、あるいは刻された文字は「金文」と呼ばれます。書体は篆書体ですが、秦の始皇帝(前259~前210)が定めた「小篆」よりも古いものです。

象形性が強く、また制作された地方ごとに字形が異なっており、多様な姿を見せることが「金文」の魅力です。

丁仏言(1878~1930)による臨書作品を見ると、扇面に各行2字ずつ配置することを原則として臨書しています。7行目は「自豕鼎」の3字を臨書していますが、字の大きさや配置を微妙に調整することで、違和感なく紙面に文字をおさめています。

作者の丁仏言は中華民国の政治家です。書家・詩人としても優れた作品を残しました。

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