本作は、王羲之(303?~365?)の尺牘(手紙)《采菊帖》の臨書作品です。
《采菊帖》の拓本には、筆が割れてカスレを伴うように見える線がいくつか見られます。このことから、原本の運筆がかなり速かったように思わせる作品です。
馬公愚による臨書作品を見ると、書き進める中で生じる自然な潤渇が生じています。1行目3~4字目「復何」や3行目4~7字目「但不知当」には連綿線が見られますが、これは手本とした《采菊帖》にもあり、手本を忠実に再現しようとしていることが分かります。
一方で、3行目1~2字目「共行」のように、《采菊帖》にはない連綿線が表れている部分もあります。これは、手本とした字の速度感を再現しようとした結果、手本にはない線が生じたのかもしれません。
作者の馬公愚は著名な収蔵家の家系に生まれ育った人物で、中国藝術専科学校などで書法を教授していた経歴を持ちます。
作品名 | 草書臨王羲之采菊帖軸 |
ふりがな | そうしょりんおうぎしさいぎくじょうじく |
作者 | 馬公愚 |
国名 | 中国 |
制作年 | 中華民国 |
寸法 | 78.7×40.2cm |
目録番号 | 4A-2281 |
釈文 | 不審復何以永日多少看 未九日当采菊不至日欲 共行也但不知当晴不耳 倫等還殊慰意 家声先生大雅正 永嘉馬公愚 |
本作は、王羲之(303?~365?)の尺牘(手紙)《采菊帖》の臨書作品です。
《采菊帖》の拓本には、筆が割れてカスレを伴うように見える線がいくつか見られます。このことから、原本の運筆がかなり速かったように思わせる作品です。
馬公愚による臨書作品を見ると、書き進める中で生じる自然な潤渇が生じています。1行目3~4字目「復何」や3行目4~7字目「但不知当」には連綿線が見られますが、これは手本とした《采菊帖》にもあり、手本を忠実に再現しようとしていることが分かります。
一方で、3行目1~2字目「共行」のように、《采菊帖》にはない連綿線が表れている部分もあります。これは、手本とした字の速度感を再現しようとした結果、手本にはない線が生じたのかもしれません。
作者の馬公愚は著名な収蔵家の家系に生まれ育った人物で、中国藝術専科学校などで書法を教授していた経歴を持ちます。