新館 特別展示室
下記の展覧会は、新型コロナウィルス感染拡大防止のため、中止となりました。
【展覧会概要】
「対聯(ついれん)」は左右2幅の掛軸で対となる語句を書いた作品の形式です。室内の調度品や、お祝い事の飾りとして掛けられます。
五言や七言などの対句で表現する、祝いの言葉、喜びの言葉には、巧みで美しい表現が多くみられます。
古典の詩から別々に選んだ作品や、書家自作の詩に感動を生む対句表現が見られます。書体も様々で、書風や布置、蝋箋などの用紙や印影など見どころは豊富です。
作品作りにも応用できるヒントが見つかる展覧会です。時に感動を生む対句表現をみつけてみてください。
【主な展示作品】
【展示作品の紹介】
1、呉昌碩 篆書対聯、兪原 山水人物図(趙雲壑賛)
呉昌碩の篆書対聯に、彼の芸友 兪原「山水人物図」を取り合わせました。書は「瓦当文は延年益寿 銅盤銘は富貴吉祥」為書きに「四百莊主人の新居落成の為に 戊午(1918年)の春、呉昌碩75歳の時」とあります。
つまり、友人か知り合い?或いは誰かに頼まれたのか「四百莊主人」という人が、新居建てたお祝いにめでたい言葉を贈ったのです。
瓦当(がとう)とは屋根瓦の軒先に出た丸い部分で「当」は、旧字体で「當」と書き、「底」という意味があります。中国戦国時代の書物『韓非子』に「玉巵當無し(ぎょくしとうなし)」とあり、宝玉で造られた巵(さかずき)といえども底が無ければ用をなさない。という話です。瓦当の名称は、瓦を立てた時に底にあたるとか、建物の棟が瓦の先とすると一番底になる、窯で焼く際に立てて並べるからなどから、瓦の底「瓦当」といわれます。
呉昌碩の「瓦」は蛇が塒(とぐろ)を巻いたようにも見えますが、丸瓦と平瓦を交互に並べた様子を立てた形です。
二聯目の上二文字は「銅盤」。これは古代の青銅器を指しています。すなわち、いずれも殷周時代の古くから伝わる、文字や銘文は、寿命を伸ばし益を授け、富や喜び事を持ってくる。と祝う言葉を、古代から営々と用いられる篆書体で揮毫し、新築の家と家主の幸福が続くよう賀ぐ作品なのです。
間に挟んだ絵は、書の贈答先とは無縁ですが、呉昌碩とは詩の応酬をした親友の作品で、あたかも新築の家を訪れたような場面なので、取り合わせました。絵の賛は呉昌碩の弟子の趙雲壑(ちょううんがく)の書、というのも縁を感じます。
【展示風景】
【イベント情報】
土曜講座
4月25日 13:00~14:00「対聯の基本」 コロナウイルス感染拡大防止の為、中止となりました。
5月23日 13:00~14:00「対聯を楽しむ」コロナウイルス感染拡大防止の為、中止となりました。
【同時開催】
【次回の展覧会】