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館蔵秦封泥/始皇帝以前-古(いにしえ)を伝える書画文物-

     

本館 4階・5階展示室

開催日: 2021年9月18日 - 2021年11月21日カテゴリー:
館蔵秦封泥始皇帝以前-古(いにしえ)を伝える書画文物-

 

館蔵秦封泥

 

 

【展覧会概要】

封泥とは、古代中国で文書や容器を「封」緘(かん)するのに用いた「泥」、つまり粘土です。紙が普及する以前、文書は多く木や竹の札(木簡・竹簡)に書かれていましたが、文字の書かれた表面を削り取ることで内容の書き換えが可能でした。そこで書き終えた札を巻き簾のように綴じて巻き、紐で縛った上に粘土を置いて印を捺すことで、密かに開封することができないようにしました。

しかし、書写材料としての紙の普及により、やがて封泥の存在は忘れ去られてしまい、再び注目されるようになったのは20世紀になってからです。封泥に捺された印文には、官職名や地名などが刻まれているため、当時の官制や地理、さらに古文字学や行政実務などに関するさまざまな情報が詰まっており、現在でも研究が続けられています。

観峰館には、秦封泥が153点収蔵されていますが、このたび、全点をはじめて一堂に公開いたします。

これらの封泥は、1995年に西安市の北郊外に位置する相家巷という場所で偶然発見されたもので、1997年に館の所蔵となりました。相家巷封泥は研究の結果、今から約2200年前の秦代のものと断定されており、大変貴重な古代の文字資料といえます。また、収蔵数も日本最大級のものです。

相家巷封泥の特徴としては、印文が秦で用いられた小篆で刻まれていること、その内容のほとんどが官職名や地名であること、文字が「田」字あるいは「日」字型の枠線で囲まれていることが挙げられます。また、裏面や側面には、封泥が触れていた物体の痕跡が残っており、印面のまわりに当時の人の指紋が残っているものもあります。

ほとんどすべてが初公開となります。ぜひこの機会にご覧ください。

2021年度秋季平常展「館蔵秦封泥」解説(4.55MB)

 

【会場】

本館4階展示室

 

【主な展示作品】(クリックで拡大します)

封泥「内官丞印」

封泥「御府丞印」

封泥「宮司空丞」

封泥「官司空丞」

封泥「郡右邸印」

封泥「左司空丞」

封泥「左楽丞印」

封泥「泰倉丞印」

封泥「藍田丞印」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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【関連出版物】※本展覧会の図録ではありません

観峰館紀要 第6号

観峰館紀要 第7号

 

【関連情報】

観峰館で「秦漢時期の文字使用をめぐる学際的研究」の研究会が行われました

 

始皇帝以前-古(いにしえ)を伝える書画文物-

 

 

【展覧会概要】

本年は、「始皇帝」こと、秦王・政(せい)が中国史上はじめて全土統一をはたした紀元前221年から、およそ2200年の節目にあたります。この展覧会では、始皇帝以前時代に因んだ拓本・文物、臨書作品や、故事を描いた絵画を展示します。

「ファーストエンペラーの時代」をお楽しみください!

2021年度秋季平常展「始皇帝以前-古(いにしえ)を伝える書画文物-」出品リスト(332KB)

2021年度秋季平常展「始皇帝以前-古(いにしえ)を伝える書画文物-」解説パンフレット(1.39MB)

 

【会場】

本館5階展示室

 

【展示内容と主な展示作品】※クリックで全図を表示します。

第一章 絵画作品に描かれた故事

孔子(前551~前479)、老子(生卒年不詳)などの著名な思想家・哲学者や、春秋戦国時代のエピソードは、絵画の画題として描かれ、多くの人びとに受容されてきました。第一章では、近代絵画に描かれた故事についてご紹介します。

張聿光「弦高犒師図」清時代末期~中華民国初期

葉曼叔「曽参図斗方(二十四孝のうち)」中華民国

中村不折「老子出関図」大正時代~昭和初期

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第二章 文物~拓本と瓦当

始皇帝以前の歴史を伝える史料として、考古遺物や拓本などがあります。瓦当(がとう)は、建物の屋根瓦の軒先部分のことで、そこに鋳込まれた紋様や文字は、当時の歴史を伝える貴重な資料です。また拓本は、当時の歴史を伝えるだけでなく、文字資料としても重要なものでした。

「泰山刻石」拓本(部分)

「武氏祠画像石」のうち「荊軻刺秦王」

「鋸葉雲紋瓦当」秦時代

 

 

 

 

 

 

 

 


第三章 歴史を伝える書物

中国の歴史書は、古来、日本でも多く読まれていました。例えば、徳川光圀は『史記』を愛読しており、それに倣って『大日本史』を著したことは、有名なエピソードです。江戸時代には、出版技術の向上により、『史記』『十八史略』『戦国策』『資治通鑑』など多くの歴史書が版本として出版されました。ここでは、江戸時代に出版された歴史書より、始皇帝についての記録を見ていきます。

『史記觽』第六巻「刺客列伝」 「荊軻刺始皇」部分

『標記増補 十八史略』第二巻 「徐福游東海」部分

『資治通鑑』秦紀二 「李信伐楚」部分

 

 

 

 

 

 

 

 


第四章 始皇七刻石の臨書作品

『史記』に拠ると、始皇帝はその権力の誇示のために、国内6箇所に碑を建てました。その原石は2基のみ現存しますが、拓本などによって現在まで伝わっています。第四章では、近代中国の書家が臨書した作品をご紹介します。

「繹山刻石」拓本

沈曽植「篆書臨嶧山刻石軸」清時代末期~中華民国初期

伊立勲「篆書臨会稽刻石軸」中華民国12年(1923)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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【関連出版物】※本展覧会の図録ではありません

観峰館紀要 第14号

 

【同時開催】※会期にご注意ください。

秋季特別企画展「文人の行き交う街-近江商人が紡いだネットワーク-」

羅入現代水墨画展

書と墨彩画 石粉粘土工芸 作品展

 

【お得な情報】

「ミュージアムぐるっとパス・関西2021」のご案内

【2021年秋季展限定企画】近江八幡市立資料館との相互優待のご案内

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【次回の展覧会】

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