観峰館の学芸員が色々な情報を発信します!
第1回「観峰館(かんぽうかん)ってなんですか??」
2023年4月から、観峰館の学芸員が色々な情報を発信する「学芸員ブログ」が始まりました。
第1回目は、「観峰館(かんぽうかん)ってなんですか??」というタイトルにしてみました。名前だけ聞くと、いったい何の施設なのか分からない方もいらっしゃるのではないかと思います。
今回は、「観峰館」という施設とその設立までの経緯について、簡単にご紹介したいと思います。
観峰館は、1995年10月1日に開館した「博物館」です。収蔵している作品は中国と日本の書や絵画など、約2万5千点あります。
これらの収蔵品を集めたのは、原田観峰(1911~1995)という人物です。「観峰館」という名称も、原田観峰から来ています。
原田観峰は本名を孝太郎といいます。観峰というのは号です。
福岡県山門郡瀬高町(現みやま市)の出身で、昭和28年(1953)から福岡県柳川市で習字の通信教育をはじめました。「正しい文字・美しい文字」の普及を目指して活動した人物です。
彼は国交回復前の中国に渡り、現地で多くの中国書画を収集してきました。中国の作品を大量に購入してきたことは、当時から日本国内でも話題になっていたようです。
全国で習字を学ぶ会員の方々に、写真資料ではなく、本物の書や絵画を見てほしいという思いが、大量の資料を蒐集することに繋がっています。
観峰は、中国の書画に限らず、日本の書や絵画、和本や昔の教科書、さらには西洋のアンティーク家具やオルゴールなど、世界中の文化を知ることの出来る資料を集めました。
観峰館が収蔵する作品の中心は、これらの「観峰コレクション」です。
そして、観峰コレクションを会員の方々に限らず、さらに多くの人に見てほしい、活用してほしいという思いから、博物館をつくることになりました。
このような思いから生まれた博物館が「観峰館」なのです。
ですが、原田観峰は観峰館が完成する直前、平成7年(1995)7月に亡くなってしまいます。残念ながら、彼が完成した博物館を見ることはありませんでした。
原田観峰が亡くなったあと、観峰館では収蔵品を展示する企画展を毎年開催してきました。2023年度は、春と夏に、原田観峰が蒐集した中国の書画を展示する企画展を開催します。
春季企画展「みて、うつす。―中国近代の臨書作品―」では、観峰コレクションから、手本を見て写した「臨書(りんしょ)」作品を特集して展示します。4月15日(土)から開催しますので、ぜひご来館くださいませ。
夏季企画展「画題を探る―中国絵画に隠された意味―」では、観峰コレクションから中国絵画を特集し、そこに隠されたメッセージを読み解く展示を行います。こちらは7月1日(土)から開催しますので、あわせてご覧いただければ幸いです。
また、当館には原田観峰の作品を展示する「原田観峰記念室」がございます。ご来館の際は、企画展とあわせてお楽しみください。
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