この作品は、夕焼けに映える雄大な富士山を描いた扁額です。夕焼けは、絹本の地色をそのまま利用し、山の左半分に色を付けないことで、霧がかった山の幻想的な情景を描き込んでいます。
また、扁額という構造上、横長の画面構成にならざるを得ないため、富士の高さを表現するには限界があります。そこで、手前に描かれた山並みを濃い色遣いにすることで、風景に遠近感を生み出し、作品全体に奥行きが生まれるようにしています。画家の技量が十分に味わえる作品です。
作家の桂田湖城は、近江・膳所出身で、京都に絵の修行に出ると、岸竹堂に師事しました。その後、今尾景年にも画を学んだともいいます。明治32年(1899)10月には、東宮殿下御前揮毫の恩命を拝し、同11月神戸美術協会への出品にて同殿下の御用品となりました。今後の研究が俟たれる画家です。

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作品名 | 富士図扁額 |
ふりがな | ふじずへんがく |
作者 | 桂田湖城 |
国名 | 日本 |
制作年 | 明治時代~大正時代 |
寸法 | 30.5×109.7cm |
目録番号 | 寄贈2801-3 |
釈文 | 湖城 |
この作品は、夕焼けに映える雄大な富士山を描いた扁額です。夕焼けは、絹本の地色をそのまま利用し、山の左半分に色を付けないことで、霧がかった山の幻想的な情景を描き込んでいます。
また、扁額という構造上、横長の画面構成にならざるを得ないため、富士の高さを表現するには限界があります。そこで、手前に描かれた山並みを濃い色遣いにすることで、風景に遠近感を生み出し、作品全体に奥行きが生まれるようにしています。画家の技量が十分に味わえる作品です。
作家の桂田湖城は、近江・膳所出身で、京都に絵の修行に出ると、岸竹堂に師事しました。その後、今尾景年にも画を学んだともいいます。明治32年(1899)10月には、東宮殿下御前揮毫の恩命を拝し、同11月神戸美術協会への出品にて同殿下の御用品となりました。今後の研究が俟たれる画家です。

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