草書陶淵明帰去来辞軸

そうしょとうえんめいききょらいじじく
     

魏楽唐(1921~2012)は浙江出身の書法家・篆刻家で、晩年は在米華人初の抽象画家として知られました。10歳から書を学び、金石碑版を専攻しました。16歳にして上海で書画展を開催し、28歳で香港に渡って西洋画を学び始めます。35歳で渡米して抽象芸術に転向します。

この作品は、草書で陶淵明「帰去来」を書いたもので、書を習い始めて6年目の16歳の作品です。早熟ですがこの年初個展を開催していますので、実力のほどがうかがえます。

落款には「鮮于枢(1256~1301)は懐素(725~785)を学んで王献之(344~388)の痕跡を見出そうとした。趙孟頫(1254~1322)とは趣を異としており、際立った存在といえよう」とあり、自らも鮮于枢の学書態度にならっていく覚悟が添えられています。款記の書法は李瑞清(1867~1920)に通じるものがあります。用印は二顆とも白文で、刻法は稚拙とも見られますが風韻があります。(漢字部 資料紹介 2017年9月号)

                                           
作品名草書陶淵明帰去来辞軸
ふりがなそうしょとうえんめいききょらいじじく
作者魏楽唐
国名中国
制作年民国27年(1938)
寸法129.3×65.5cm
目録番号4A-0783

魏楽唐(1921~2012)は浙江出身の書法家・篆刻家で、晩年は在米華人初の抽象画家として知られました。10歳から書を学び、金石碑版を専攻しました。16歳にして上海で書画展を開催し、28歳で香港に渡って西洋画を学び始めます。35歳で渡米して抽象芸術に転向します。

この作品は、草書で陶淵明「帰去来」を書いたもので、書を習い始めて6年目の16歳の作品です。早熟ですがこの年初個展を開催していますので、実力のほどがうかがえます。

落款には「鮮于枢(1256~1301)は懐素(725~785)を学んで王献之(344~388)の痕跡を見出そうとした。趙孟頫(1254~1322)とは趣を異としており、際立った存在といえよう」とあり、自らも鮮于枢の学書態度にならっていく覚悟が添えられています。款記の書法は李瑞清(1867~1920)に通じるものがあります。用印は二顆とも白文で、刻法は稚拙とも見られますが風韻があります。(漢字部 資料紹介 2017年9月号)

KAMPO MUSEUM IN SHIGA ©︎ All Rights Reserved