この作品は、雪が降り積もる松の大樹の下に、2匹の犬を描いたものです。2匹は、黒と白の毛並みで、黒い犬は舌を出しながら尾を振り、その仕草に白い犬が応えようとする、微笑ましい光景です。
絵は、2人の画家によって描かれており、孔小瑜(1899~1984)が犬を描き、熊松泉(1884~1961)が松などの背景を描いています。題字は、張石園(1898~1959)が「義播古今」と金文風に書いています。「義、古今に播(ま)く」とあり、忠義の心が、今も昔も播かれる、広く及んでいる、という意味です。
犬は、最初に言いましたように、人との関わりが古く、家族の一員のようにして飼われており、また害獣などを追い払うことが転じて、悪霊を追い払う存在とされています。そして、主人に忠実な動物であるため、忠実・信義の象徴とされてきました。したがって、落款の「義」とは2匹の犬を指しています。
落款には、「璧如先生」のために描いたことが記されています。2人にとってはお世話になった人物のために描いたものと思われ、2匹の犬を描いていることから、2人のその人への忠義、敬愛も示されています。
また、地域によっては、犬は米や黍をもたらすという言い伝えがあります。雪もまた、その寒さが害虫を退治し、水が豊富になることから、あわせて、豊作の願いが込められています。さらに、犬たちの周りには、おなじみの石や竹が描かれており、長寿の願いも込められていますので、まさに吉祥のオンパレードという訳です。新年のスタートにぴったりの、おめでたい作品です。
作品名 | 合作義犬図 |
ふりがな | がっさくぎけんず |
作者 | 画:孔小瑜/熊松泉 題:張石園 |
国名 | 中国 |
制作年 | 民国32年(1943) |
寸法 | 129.0×63.2cm |
目録番号 | 5b-0415 |
釈文 | 義播古今 璧如先生雅政癸未春二月 孔小瑜画犬 熊松泉補景 石園題字 |
この作品は、雪が降り積もる松の大樹の下に、2匹の犬を描いたものです。2匹は、黒と白の毛並みで、黒い犬は舌を出しながら尾を振り、その仕草に白い犬が応えようとする、微笑ましい光景です。
絵は、2人の画家によって描かれており、孔小瑜(1899~1984)が犬を描き、熊松泉(1884~1961)が松などの背景を描いています。題字は、張石園(1898~1959)が「義播古今」と金文風に書いています。「義、古今に播(ま)く」とあり、忠義の心が、今も昔も播かれる、広く及んでいる、という意味です。
犬は、最初に言いましたように、人との関わりが古く、家族の一員のようにして飼われており、また害獣などを追い払うことが転じて、悪霊を追い払う存在とされています。そして、主人に忠実な動物であるため、忠実・信義の象徴とされてきました。したがって、落款の「義」とは2匹の犬を指しています。
落款には、「璧如先生」のために描いたことが記されています。2人にとってはお世話になった人物のために描いたものと思われ、2匹の犬を描いていることから、2人のその人への忠義、敬愛も示されています。
また、地域によっては、犬は米や黍をもたらすという言い伝えがあります。雪もまた、その寒さが害虫を退治し、水が豊富になることから、あわせて、豊作の願いが込められています。さらに、犬たちの周りには、おなじみの石や竹が描かれており、長寿の願いも込められていますので、まさに吉祥のオンパレードという訳です。新年のスタートにぴったりの、おめでたい作品です。