本作は、細身の筆線を基調とした行書作品。特に横画は、起筆に軽い逆入が見られ、何紹基(1799~1873)行書の根幹ともいえる、顔真卿(709~785)の「争坐位文稿」の筆法を思わせるが、送筆部分は、細く直線的に引き締まり、50歳頃より本格的に傾倒した北派の書の影響を感じさせる。さらに、右内側に巻き込む線に、所どころ細かな震えが現れているのは、「懸臂回腕」の運筆によるものであろう。ただ、60歳以降に始まる隷書学習の痕跡が顕著ではないことから、50代半ば頃の作品と考えられる。
作品名 | 行書七言対聯 |
ふりがな | ぎょうしょしちごんついれん |
作者 | 何紹基 |
国名 | 中国 |
制作年 | 清時代後期 咸豊年間(1850年代)頃 |
寸法 | 各129.0×28.5cm |
目録番号 | 4A-0377 |
釈文 | 月明満地看梅影 芋来犀浦可専車 子貞何紹基 |
本作は、細身の筆線を基調とした行書作品。特に横画は、起筆に軽い逆入が見られ、何紹基(1799~1873)行書の根幹ともいえる、顔真卿(709~785)の「争坐位文稿」の筆法を思わせるが、送筆部分は、細く直線的に引き締まり、50歳頃より本格的に傾倒した北派の書の影響を感じさせる。さらに、右内側に巻き込む線に、所どころ細かな震えが現れているのは、「懸臂回腕」の運筆によるものであろう。ただ、60歳以降に始まる隷書学習の痕跡が顕著ではないことから、50代半ば頃の作品と考えられる。