楊沂孫(1812?~1881)は江蘇常塾の人です。史書には「吾が書の篆・籀は鄧氏(清時代を代表する篆刻家)に拮抗し、得意の処は或いは之に過ぐ」と自ら豪語したと載っています。つまり大変な自信家であったようです。その得意の作には「歴劫不磨(永久不滅の意味)」という印を捺したそうですが、この作品の右下方にも遊印として捺されています。楊沂孫の多くの作品は没個性的で無機質な篆書が多いようですが、本作は伸びやかさがあり渇筆の部分が線の柔らかさを表現しているように見えます。(漢字部 資料紹介 2015年6月号)
作品名 | 篆書菜賛四則軸 |
ふりがな | てんしょさいさんしそくじく |
作者 | 楊沂孫 |
国名 | 中国 |
制作年 | 清時代後期 光緒3年(1877) |
寸法 | 159.0×38.5cm |
目録番号 | 4A-4249 |
釈文 | 就穀唯菜民食所資百蔬之長厥 名曰癸南青北白随地之宜菘緑 茸黄〓〓満畦糞無姆田出可串 時肉食者棄菲食則思 癸賛 光緒三年四月書菜賛四則示 破山寺方丈蓮航禅師即請法鑑 濠叟楊沂孫〓篆 |
楊沂孫(1812?~1881)は江蘇常塾の人です。史書には「吾が書の篆・籀は鄧氏(清時代を代表する篆刻家)に拮抗し、得意の処は或いは之に過ぐ」と自ら豪語したと載っています。つまり大変な自信家であったようです。その得意の作には「歴劫不磨(永久不滅の意味)」という印を捺したそうですが、この作品の右下方にも遊印として捺されています。楊沂孫の多くの作品は没個性的で無機質な篆書が多いようですが、本作は伸びやかさがあり渇筆の部分が線の柔らかさを表現しているように見えます。(漢字部 資料紹介 2015年6月号)