蘇軾(1037~1101)の代表作であり、傑作として名高いのが前後2篇の「赤壁賦」です。ちなみに蘇軾が遊んだ赤壁は、三国志の古戦場とは別の場所で、古戦場は「武赤壁」、蘇軾の方は「文赤壁」と呼ばれています。何維樸(1844~1925)作「節録蘇軾後赤壁賦篆書四屏」は、蘇軾が左遷中、月夜の赤壁に船を浮かべて遊んだ際に作った2つの「赤壁賦」のうち、2度目の「後赤壁賦」の一部を揮毫したものです。
意訳
…そこで酒と魚とを携えて、また赤壁の下に遊んだ。長江は唸りをたて、絶壁は切り立ち、山は聳え、月は小さく、水は枯れて石が露出している。前回来たときからどのくらい経ったのだろうか。川にも山にも見覚えがない。そこで私は裾をまくって岸に上り、岩場を踏みしめ叢を分け、岩に蹲り木に登り、崖を這い上がって水底を見下ろした。二人の友人はついて来れないようだ。音高く口笛を吹けば草木は振るえ…
…そこで酒と魚とを携えて、また赤壁の下に遊んだ。長江は唸りをたて、絶壁は切り立ち、山は聳え、月は小さく、水は枯れて石が露出している。前回来たときからどのくらい経ったのだろうか。川にも山にも見覚えがない。そこで私は裾をまくって岸に上り、岩場を踏みしめ叢を分け、岩に蹲り木に登り、崖を這い上がって水底を見下ろした。二人の友人はついて来れないようだ。音高く口笛を吹けば草木は振るえ…