習字皇国年号

しゅうじこうこくねんごう
     

『習字皇国年号』表紙

佐瀬得所(1822~1878)が揮毫した習字手本です。折り紙を糸で綴じられた簡素な装丁になっています。

注目は、表紙に「磐前県版」とあることです。磐前県は、明治4年(1871)から9年(1876)まで設置された県で、廃藩置県直後より限られた期間に出版され、使用された手本として貴重です。
佐瀬得所は、陸奥会津(福島県)出身の書家です。幼いから書にしたしみ、欧陽詢(557~641)、趙孟頫(1254~1322)らの書を学んでいます。清へ留学の経験もあり、東京で子弟に書を教えたといいます。「明治の三筆」の一人、巌谷一六とも交流しました。

その書は、一本一本の線に厳しさがあり、やや癖のある書であるため、教科書のような一般に通じるものではありません。通好みの手本といえるでしょう。

                                           
作品名習字皇国年号
ふりがなしゅうじこうこくねんごう
作者佐瀬得所
国名日本
制作年明治9年(1876)
寸法25.2×16.7cm
目録番号KSY-0004

『習字皇国年号』表紙

佐瀬得所(1822~1878)が揮毫した習字手本です。折り紙を糸で綴じられた簡素な装丁になっています。

注目は、表紙に「磐前県版」とあることです。磐前県は、明治4年(1871)から9年(1876)まで設置された県で、廃藩置県直後より限られた期間に出版され、使用された手本として貴重です。
佐瀬得所は、陸奥会津(福島県)出身の書家です。幼いから書にしたしみ、欧陽詢(557~641)、趙孟頫(1254~1322)らの書を学んでいます。清へ留学の経験もあり、東京で子弟に書を教えたといいます。「明治の三筆」の一人、巌谷一六とも交流しました。

その書は、一本一本の線に厳しさがあり、やや癖のある書であるため、教科書のような一般に通じるものではありません。通好みの手本といえるでしょう。

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