本作は、西周時代(前1045~前771)に作られた青銅器《曽伯陭壷》の銘文を臨書したものです。
《曽伯陭壷》は下部が膨らんだ壺の形をした青銅器です。現在は台北の国立故宮博物院が収蔵しています。
馬衡(1881~1955)による臨書作品を見ると、肥痩のなく柔らかな曲線を、滑らかな筆運びで書き上げています。肉筆でありながら、青銅器の銘文を見ているかのようです。
作者の馬衡は金石学に精通した学者で、北京大学教授、故宮博物院院長などを歴任しました。書は篆・隷に工で、篆刻も得意としたと伝わります。日中戦争時には文物避難の責任者にもなり、戦時下において文化財を守るために奔走した人物でもあります。
作品名 | 篆書臨曽伯陭壷軸 |
ふりがな | てんしょりんそうはくきこじく |
作者 | 馬衡 |
国名 | 中国 |
制作年 | 中華民国 |
寸法 | 128.0×63.2cm |
目録番号 | 4A-2731 |
釈文 | 隹曾白陭廼用吉金鐈鋚 用自乍醴壷用饗賓客為 徳無叚用孝用亯用易 眉寿子々孫々永受大無福 疆 曽伯陭壺故宮蔵器 馬衡 |
本作は、西周時代(前1045~前771)に作られた青銅器《曽伯陭壷》の銘文を臨書したものです。
《曽伯陭壷》は下部が膨らんだ壺の形をした青銅器です。現在は台北の国立故宮博物院が収蔵しています。
馬衡(1881~1955)による臨書作品を見ると、肥痩のなく柔らかな曲線を、滑らかな筆運びで書き上げています。肉筆でありながら、青銅器の銘文を見ているかのようです。
作者の馬衡は金石学に精通した学者で、北京大学教授、故宮博物院院長などを歴任しました。書は篆・隷に工で、篆刻も得意としたと伝わります。日中戦争時には文物避難の責任者にもなり、戦時下において文化財を守るために奔走した人物でもあります。