芭蕉涅槃図は、松尾芭蕉(1644~1694)の没後、供養・顕彰が始まり神格化される中で、芭蕉を釈迦に見立てて描かれた涅槃図です。芭蕉は右手を枕にして横たわり、墨染の法衣と頭巾を被っています。周囲は、沙羅双樹ではなく芭蕉が、薬袋ではなく笠や頭陀袋が吊るされています。天から下ってくるのは摩耶夫人ではなく、僧たちが描かれており、他に類例が少ないものです。芭蕉を取り囲むのは、宝井其角(1661~1707)や向井去来(1651~1704)など「芭蕉十哲」ら弟子たちがいます。
画家の青木木米(1767~1833)は江戸時代後期の文人画家であり、陶工です。聾木という号は、陶器を焼く際に、釜の火の音で判断していたために耳を悪くし、最晩年に失音したことに由来します。木米が没する前年に描かれたもので、翌年の芭蕉百五十回忌のために描かれたものと考えられます。
※平成29年(2017)、岐阜県の大垣市奥の細道むすびの地記念館にて「芭蕉涅槃図の世界」展が開催され、芭蕉涅槃図8点がまとまって紹介されました。当館所蔵本は、それ以後に存在が確認されたものです。
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作品名 | 芭蕉涅槃図 |
ふりがな | ばしょうねはんず |
作者 | 青木木米 |
国名 | 日本 |
制作年 | 江戸時代後期 天保3年(1832) |
寸法 | 93.4×32.0cm |
目録番号 | 日-画-015 |
釈文 | 天保壬辰秋七月聾木米写 |
芭蕉涅槃図は、松尾芭蕉(1644~1694)の没後、供養・顕彰が始まり神格化される中で、芭蕉を釈迦に見立てて描かれた涅槃図です。芭蕉は右手を枕にして横たわり、墨染の法衣と頭巾を被っています。周囲は、沙羅双樹ではなく芭蕉が、薬袋ではなく笠や頭陀袋が吊るされています。天から下ってくるのは摩耶夫人ではなく、僧たちが描かれており、他に類例が少ないものです。芭蕉を取り囲むのは、宝井其角(1661~1707)や向井去来(1651~1704)など「芭蕉十哲」ら弟子たちがいます。
画家の青木木米(1767~1833)は江戸時代後期の文人画家であり、陶工です。聾木という号は、陶器を焼く際に、釜の火の音で判断していたために耳を悪くし、最晩年に失音したことに由来します。木米が没する前年に描かれたもので、翌年の芭蕉百五十回忌のために描かれたものと考えられます。
※平成29年(2017)、岐阜県の大垣市奥の細道むすびの地記念館にて「芭蕉涅槃図の世界」展が開催され、芭蕉涅槃図8点がまとまって紹介されました。当館所蔵本は、それ以後に存在が確認されたものです。
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