本作は、何紹基(1799~1873)の学んだあらゆる筆法が渾然一体となった、楷書に近い行書作品。全体的に細身の線質で配字も揃い、躍動感を押さえた枯淡な雰囲気となっている。しかし、一文字一文字の書きぶりを見ると、顔法や北魏楷書・隷書といった諸書体を融合させるという、高度な技巧が凝らされていることがわかる。また、幼少期から何家の庭訓として教え込まれた「横平豎直」を墨守する姿勢もうかがえる。壮年期ほどの重厚さは見られないが、八幅を書き貫く筆力はなお衰えを見せない。数え66歳の作品。
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作品名 | 行書蘇軾偃松屏賛并序八屏 |
ふりがな | ぎょうしょそしょくえんしょうへいさんならびにじょはちへい |
作者 | 何紹基 |
国名 | 中国 |
制作年 | 清時代後期 同治3年(1864) |
寸法 | 各130.5×34.5cm |
目録番号 | 4A-0405 |
釈文 | 偃松屏賛并序 余為中山守始食北嶽 松膏為天下觀其木理 堅密瘠而不瘁信植物 之英烈也謫居羅浮山 下地暖多松而不識霜 雪如高才勝人生紈綺 家與孤臣孽子有閒矣 士踐憂患安知非幅幼 子過從我南來畫寒松 偃蓋為護首小屏為之 賛曰 燕南趙北大茂之麓天 僵雪峯地裂冰谷凛然 孤清不能無生々此偉 奇北方之精蒼皮玉骨 磽々〓々方春不知沍 寒秀發孺子介剛従我
炎荒霜中之英以洗我 瘴眉山 東坡此贊絹本墨跡剥落之餘存 五十二字舊為翁氏蘇齊所藏今歸 南海伍氏余曾為作詩不知此番 伯宣世兄嶺外之游亦曾見否 甲子夏蝯叟 |
本作は、何紹基(1799~1873)の学んだあらゆる筆法が渾然一体となった、楷書に近い行書作品。全体的に細身の線質で配字も揃い、躍動感を押さえた枯淡な雰囲気となっている。しかし、一文字一文字の書きぶりを見ると、顔法や北魏楷書・隷書といった諸書体を融合させるという、高度な技巧が凝らされていることがわかる。また、幼少期から何家の庭訓として教え込まれた「横平豎直」を墨守する姿勢もうかがえる。壮年期ほどの重厚さは見られないが、八幅を書き貫く筆力はなお衰えを見せない。数え66歳の作品。
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