行書五言対聯

ぎょうしょごごんついれん
     

本作は、小品ながら何紹基(1799~1873)学書の成果が詰まった最盛期の行書作品。筆致はおおむね起筆に近いほど重厚で、終画に向かうにつれ、懐を大きく取って開放的になる。「香」の横画のような蔵鋒の起筆や、「鷓鴣」の「鳥」部分の第二画目のような北魏楷書的な鋭角の起筆が混在し、加えて「鷓」「斑」などの横画や、やや扁平の方形を呈する結体には、隷書学習の影響も現れている。そして「硯」「眼」などの終画部分には、「懸臂回腕」による筆力が感じられる。署款の風格もあわせると、60代後半頃の作品と考えられる。

                                               
作品名行書五言対聯
ふりがなぎょうしょごごんついれん
作者何紹基
国名中国
制作年清時代後期 同治年間(1860年代)頃
寸法各86.5×18.2cm
目録番号4A-0369
釈文硯涵鴝鵒眼 香削鷓鴣斑 何紹基

本作は、小品ながら何紹基(1799~1873)学書の成果が詰まった最盛期の行書作品。筆致はおおむね起筆に近いほど重厚で、終画に向かうにつれ、懐を大きく取って開放的になる。「香」の横画のような蔵鋒の起筆や、「鷓鴣」の「鳥」部分の第二画目のような北魏楷書的な鋭角の起筆が混在し、加えて「鷓」「斑」などの横画や、やや扁平の方形を呈する結体には、隷書学習の影響も現れている。そして「硯」「眼」などの終画部分には、「懸臂回腕」による筆力が感じられる。署款の風格もあわせると、60代後半頃の作品と考えられる。

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