何維樸(1842~1922)は、清朝随一の書家・何紹基の孫です。作品を見てもおわかりように祖父の書風を篤実に守ったいわゆる何紹基書法による作品です。偉大な先祖をもった者の宿命といえるでしょうが、その影響から良くも悪くも逸脱することなく生涯を終えたといえます。生前は書よりも伝統的な山水画の名手として名を馳せましたが、この作品は何維樸の最晩年80才の書で、壮年期の彼の作品から感じられる萎縮感はなく、むしろ年齢を感じさせない伸びやかな作品に仕上がっています。(漢字部 資料紹介 2012年6月号)
作品名 | 行書蘇軾詩軸 |
ふりがな | ぎょうしょそしょくしじく |
作者 | 何維樸 |
国名 | 中国 |
制作年 | 民国10年(1921) |
寸法 | 121.5×50.5cm |
目録番号 | 4A-4119 |
釈文 | 唐人王摩詰李思訓之流画山水峰麓自 成変態雖蕭然有出塵之姿然頗以雲物間 之作浮雲杳靄与孤鴻落照滅没于江天之 外挙世宗之而唐人之典型尽矣近歳唯範 寛稍存古法然微有俗気 此語非坡老不敢道 辛酉十月詩孫何維樸時年八十 |
何維樸(1842~1922)は、清朝随一の書家・何紹基の孫です。作品を見てもおわかりように祖父の書風を篤実に守ったいわゆる何紹基書法による作品です。偉大な先祖をもった者の宿命といえるでしょうが、その影響から良くも悪くも逸脱することなく生涯を終えたといえます。生前は書よりも伝統的な山水画の名手として名を馳せましたが、この作品は何維樸の最晩年80才の書で、壮年期の彼の作品から感じられる萎縮感はなく、むしろ年齢を感じさせない伸びやかな作品に仕上がっています。(漢字部 資料紹介 2012年6月号)