本作は、顔法と北碑を融合させた壮年期の行書作品。各字の結体は、顔真卿(709~785)の「争坐位文稿」を主としつつ、「天」「大」「平」「為」などの横画に見られるような、北魏楷書風の露法による鋭角の起筆が混在する。両者は自然に融合し、もはや何紹基(1799~1873)の血肉となっていることがうかがえる。壮年期の何紹基が目指した書風の通過点がうかがえ、この後、さらに隷書への傾倒を経て、その全盛期の書風へとつながってゆく。署款の風格からも、40代後半頃の作品と考えられる。
作品名 | 行書論米元章天馬賦軸 |
ふりがな | ぎょうしょろんべいげんしょうてんまふじく |
作者 | 何紹基 |
国名 | 中国 |
制作年 | 清時代後期 道光年間(1840年代)頃 |
寸法 | 130.0×61.5cm |
目録番号 | 4A-0732 |
釈文 | 元章天馬賦以擘窠大 字書於平海大師後園 者為最得意之作雄渾流 動起止横縦諸法倶備 晴川一兄属 子貞何紹基 |
本作は、顔法と北碑を融合させた壮年期の行書作品。各字の結体は、顔真卿(709~785)の「争坐位文稿」を主としつつ、「天」「大」「平」「為」などの横画に見られるような、北魏楷書風の露法による鋭角の起筆が混在する。両者は自然に融合し、もはや何紹基(1799~1873)の血肉となっていることがうかがえる。壮年期の何紹基が目指した書風の通過点がうかがえ、この後、さらに隷書への傾倒を経て、その全盛期の書風へとつながってゆく。署款の風格からも、40代後半頃の作品と考えられる。