本作は後漢時代の建寧2年(169)に建てられた石碑《史晨碑》を臨書したものです(図版は巻頭部分)。
《史晨碑》は、魯の太守であった史晨が孔子廟を祭った時の文2編を刻した石碑です。一つの石の両面に文字を刻しており、それぞれを前碑/後碑と呼んで区別しています。作者を蔡邕(132~192)とする説もありますが、根拠はありません。
整った字形や波打つような滑らかなハライ(波磔)を持ち、後漢時代の隷書碑における1つの典型を示すものです。
李鴻裔(1831~1885)による臨書作品を見ると、扁平な字形と波打つようなハライ(波磔)が見事に再現されています。
書き進めるにつれて墨が少なくなり、わずかなカスレを生じさせています。しかし、それも過剰なものではありません。扁平で整った字形と滑らかな線によって、紙面には穏やかな雰囲気が醸し出されています。
作者の李鴻裔は清時代後期の官僚で、詩文や書法を得意としたと伝わる人物です。
作品名 | 隷書臨史晨碑巻 |
ふりがな | れいしょりんししんひかん |
作者 | 李鴻裔 |
国名 | 中国 |
制作年 | 清時代後期 |
寸法 | 30.1×250.2cm |
目録番号 | 巻-書-008 |
本作は後漢時代の建寧2年(169)に建てられた石碑《史晨碑》を臨書したものです(図版は巻頭部分)。
《史晨碑》は、魯の太守であった史晨が孔子廟を祭った時の文2編を刻した石碑です。一つの石の両面に文字を刻しており、それぞれを前碑/後碑と呼んで区別しています。作者を蔡邕(132~192)とする説もありますが、根拠はありません。
整った字形や波打つような滑らかなハライ(波磔)を持ち、後漢時代の隷書碑における1つの典型を示すものです。
李鴻裔(1831~1885)による臨書作品を見ると、扁平な字形と波打つようなハライ(波磔)が見事に再現されています。
書き進めるにつれて墨が少なくなり、わずかなカスレを生じさせています。しかし、それも過剰なものではありません。扁平で整った字形と滑らかな線によって、紙面には穏やかな雰囲気が醸し出されています。
作者の李鴻裔は清時代後期の官僚で、詩文や書法を得意としたと伝わる人物です。