西晋の時代、陸機(261~303)という文学者で政治家がいました。彼は黄耳という名の犬を飼っており、とても可愛がっていました。陸機が都に仮住まいをするようになってから、しばらく故郷の家から便りが途絶えていました。あるとき陸機は笑いながら黄耳に「我が家から全然手紙が来ないんだ。お前に手紙をことづけたら、返事を持って帰って来てくれるかい?」と語りかけました。すると犬は尻尾を振って吠えたので、陸機は手紙をしたため竹の筒の中に入れ、それを犬の首に掛けてやりました。犬は道を探すと南へと走って行き、ちゃんと家にたどり着き、返事をもらって帰って来きました。その後、家との手紙のやり取りはずっと黄耳がつとめました。「黄耳寄書」は、一種の忠犬話であるとともに、家からの手紙を届けるという意味でもあります。
| 作品名 | 黄耳寄書図 |
| ふりがな | こうじきしょず |
| 作者 | 沈心海 |
| 国名 | 中国 |
| 制作年 | 清末~民国 |
| 寸法 | 151.3×40.6cm |
| 目録番号 | 4b-0367 |
| 釈文 | 黄耳寄書 曾見龍子球有此図 心海摸其意 |
西晋の時代、陸機(261~303)という文学者で政治家がいました。彼は黄耳という名の犬を飼っており、とても可愛がっていました。陸機が都に仮住まいをするようになってから、しばらく故郷の家から便りが途絶えていました。あるとき陸機は笑いながら黄耳に「我が家から全然手紙が来ないんだ。お前に手紙をことづけたら、返事を持って帰って来てくれるかい?」と語りかけました。すると犬は尻尾を振って吠えたので、陸機は手紙をしたため竹の筒の中に入れ、それを犬の首に掛けてやりました。犬は道を探すと南へと走って行き、ちゃんと家にたどり着き、返事をもらって帰って来きました。その後、家との手紙のやり取りはずっと黄耳がつとめました。「黄耳寄書」は、一種の忠犬話であるとともに、家からの手紙を届けるという意味でもあります。