廻紋硯

墨縁部分に彫刻された紋様は、一見すると雲紋のようにも見えるが、虁龍紋をより簡略したものととらえることができよう。 硯の彫刻には龍が選ばれることが多いが、鑑賞にも適する硯の需要によって、さまざまな龍の彫刻がなされるようにな […]

       

黄緑雲池硯

黄緑色を帯びた硯で、端渓特有の紫色とは異なる趣である。墨池を雲の形状とした以外は、とてもシンプルな硯式である。石質は、鋒鋩(ほうぼう)がやや粗く、黎渓石の可能性があるが判然としない。墨堂の縁の部分は柔らかく彫られており、 […]

       

双龍眼硯

硯縁上部の石眼を中心に、二頭の龍が左右に彫られた硯である。墨堂から裏面にまで伸びる白紋を雲に見立て、空に飛び立つ龍を表現したのであろう。 全体的に重厚な作りであるが、墨潮のなだらかな傾斜や、洗練過ぎていない彫刻から考える […]

       

浄土硯

手を合わせて拝礼する、子どもの姿をした釈迦と、その母である摩耶夫人(まやぶにん)をモチーフとした硯である。摩耶夫人が木の枝を手にするのは、彼女が木の枝に手を伸ばしたところ、腋から釈迦が生まれたという伝承をふまえたものであ […]

       

葉実硯

梅の花びらの外形のような墨池の左側に、葉と実(蓮の花?)が彫られた硯。葉脈の彫り方は繊細ではないが、かえって味わい深いものがある。 箱の蓋には、玉を吐く龍が彫られている。良い硯には、その硯に合わせた箱が作られ、その箱も貴 […]

       

金帯囲銘硯

箱の蓋表面に「金帯圍」とあるように、硯側部分に一本の細い金線が廻らされた硯である。墨堂から墨池にかけて瓶の形に彫られており、瓶は「平」と中国語の発音が同音であることから、平和を象徴する吉祥のモチーフである。硯式は古様で、 […]

       

吉祥紋円硯

一見すると、硯であると認識できない形状であるが、正真正銘の硯である。墨池は、墨堂の周囲に深く彫られており、たっぷりと墨をためることが出来るが、はたしてその必要があるのだろうか。 硯側には、龍、鳳凰、松に双鶴、竹に雀といっ […]

       

老松天然硯

天然の石の形を利用した硯で、硯縁部分には高く聳え立つ老松が、力強く彫られている。松の樹肌(きはだ)部分も丁寧に彫られており、樹木の根の力強さ からは、生命力を感じさせ、まさに長寿の象徴である。 硯は、破損がない限り、永久 […]

       

梅花弦月硯

墨池上部の硯縁に梅花が彫られ、右側に「松亭」の落款、左側に「永綏清渓端石」の文字がある。永綏(えいすい)については不明だが、中国・清時代に湖南省に置かれた直隷庁(ちょくれいちょう)のことかもしれない。 いずれにせよ、浅く […]

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