再板 寺子読書千字文

内題に拠ると、古来、童子が書芸を学ぶ際には、和漢ともに、千字文を学んでいたため、新たに真草2体に音訓を附したという。加えて、冒頭には、文房四宝の説を絵入りで説明している。

       

寺子読書千字文(全)

御家流の書風でしっかり書かれた手習い本。他館蔵より、初版は天保14年(1843)と分かる。頭書には、文字のはじまりと、掛幅・屏風等に用いる四言句が引用される。葛西水玉堂(生卒年不詳)は、梅村市郎兵衛と同一人物であり、江戸 […]

       

真書千字文

尾張名古屋にある慶雲堂版の楷書の千字文。巻菱湖(1777~1843)の書によるもの。元は、上・下冊であったが、旧所蔵者により、合冊されたもの。菱湖らしい伸びやかな書風が特徴的である。

       

行書千字文

市河米庵(1779~1858)が、戸川安清(1787~1868)より譲り受けたもの。戸川安清の「玄黓摂堤格」すなわち壬寅の年、天保13年(1842)の跋に拠ると、長崎滞在時(長崎奉行時)に訳司(舌官某)が所蔵していたこの […]

       

真草千字文(和刻本)

明治以降の習字教科書やお手本には、王羲之(303?~361?)を基本にした書が用いられました。その背景には、巻菱湖(1777~1843)の書風が明治維新の新興の感覚に受け入れられ、明治政府の公的文書が菱湖風に改められたこ […]

       

富士図扁額

この作品は、夕焼けに映える雄大な富士山を描いた扁額です。夕焼けは、絹本の地色をそのまま利用し、山の左半分に色を付けないことで、霧がかった山の幻想的な情景を描き込んでいます。 また、扁額という構造上、横長の画面構成にならざ […]

       

芭蕉涅槃図

芭蕉涅槃図は、松尾芭蕉(1644~1694)の没後、供養・顕彰が始まり神格化される中で、芭蕉を釈迦に見立てて描かれた涅槃図です。芭蕉は右手を枕にして横たわり、墨染の法衣と頭巾を被っています。周囲は、沙羅双樹ではなく芭蕉が […]

       

行書蘇軾詩軸

日下部鳴鶴(1838~1922)は、明治~大正時代の書家です。元近江彦根藩士。明治13年(1800)、清の楊守敬(1839~1915)が来日すると巌谷一六(1834~1905)らとともに漢魏六朝の書法を学び、六朝書道とよ […]

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