円硯

小型の円硯で、硯側や裏面に銘文が刻まれている。硯側の落款には、「父己鬲鼎壬辰八月句呉銭泳」とあり、銭泳(1759~1844)が道光12年(1833)に書いたとあるが、後世の創作である。 「父己鬲鼎」は中国・商末~周初期の […]

       

緑石群馬硯

緑石の中型の硯で、墨池には、森林の中に五頭の馬が集まる様子が彫られる。馬たちは、草原に寝そべったり、草を食んだり、自由に振舞っているが、左端の一頭のみが轡を付けられ、その紐が木にしばられている。主人の帰りを待つ一頭の馬に […]

       

澄泥霊芝硯

コレクションの中でも数少ない澄泥硯で、木の切り株を模し、周囲には霊芝が彫られている。よく見ると、木の洞には蜘蛛がおり、技巧が細かい。 裏面は切り株の形をしており、木の年輪が忠実に再現されている。墨池がなく、装飾的要素が強 […]

       

南都鳳凰硯

鳳凰が羽根を広げ、地上に降り立つ姿を表わした楕円形の硯。墨池の円状の波紋が珍しい。 裏面の余白には、「大癡道人」こと黄公望(1269~1354)が杜甫(712~770)の詩「秋興八首」の第五首を揮毫した書と落款が刻まれて […]

       

板硯

板硯は硯板ともいい、硯面に池がなく、板状の硯である。円形、長方形、正方形などの形があり、中には重量感に富んだものがある。また自然の石材を活かし、僅かに縁を加工したものなど、様々である。 板硯を作硯する理由として、良質な石 […]

       

蟾蜍硯

墨池部分に、三本足の蟾蜍(ひきがえる)を彫ったもの。蟾蜍は兎とともに、月に住んでいたという神話があり、また卵をたくさん産むため、豊年や長寿の象徴でもあった。 三本足の蟾蜍は蝦蟇仙人が従えた霊獣としても知られ、金運が訪れる […]

       

梅鶯硯

やや赤味を帯びた大型の硯に、右下から左上にかけて、梅の花と鶯、空に浮かぶ雲を、豪快に彫刻した硯である。細かい彫刻装飾に圧倒されるが、墨堂全体に波状にのびる黒紋線が、さらに趣を深めている。新しい門出にふさわしい、おめでたい […]

       

緑紋板硯

「おにぎり」のような形をした板状の硯(板硯)で、緑色を帯びた魚脳凍(ぎょのうとう)と呼ばれる石紋が表面を覆っている。魚脳凍とは、白色や緑色のはっきりとした一つの塊の紋様のことである。湖南省の黎渓石(れいけいせき)もしくは […]

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