廻紋寿硯

中央上部に、吉祥を意味する紋様を持つ硯。墨堂部分には墨を磨りやすくするためか、特徴的な窪みを持つ。落潮部分の傾斜も急である。 硯式から総合的に判断すると、清時代中期以前に作硯されたものと考えることができる。コレクションが […]

       

歙州八稜硯

八角形の硯は八稜硯と呼ばれる。墨堂は円形に作られ、周囲に墨池を廻らすことが多いが、本作は巴紋状の墨池である。 石材の表面は、白や黒の点(魚子紋)が前面に出ていることから、歙州石であろう。『西清硯譜』にも多く載る硯式である […]

       

端渓游魚硯

円状の墨池を囲むように、三匹の鯉が回遊し、同じく円状の墨堂の周辺には、波模様が彫られている。鯉魚硯は、登龍門の故事で知られるように、龍門とともに彫られることが多い。 裏面には、鮮やかに一本の金線が走っており、端渓の良質な […]

       

鷹硯

鷹が桃を啄む姿を硯縁に彫った硯。やや黄緑がかった石材は黎渓石である。黎渓石は、端渓と比べると鋒鋩が弱いが、帯状のものは特に珍重された。 裏面は、張照(1691~1745)が唐・崔琪の心教大師碑の中、「仙露明珠、詎能方其朗 […]

       

片雲仔石板硯

仔石硯は、水中で小石状の塊で採掘されたもので、石の髄が水中で磨かれるために、本来は丸味を帯びたものが多い。 本作は、その中でも板硯に近く、表面右下に僅かに雲紋が彫られている。小硯ではあるが、文人好みの優硯である

       

緑石鳳凰硯

孔雀が羽根を広げた状態を表わした、緑石の大硯。裏面には、乾隆帝の第11子・成親王(1752~1823)が、師傅であった朱文瑞より譲り受け所蔵していた旨の銘が刻まれている。本作の蒐集に際しては、日本習字教育財団の創立者・原 […]

       

瓦当硯

軒先や屋根の両端に使われた瓦当を硯として作ったもので、中央に「乾隆丁未(1787)」の銘文を持ち、周囲に「長楽未央」と鋳込まれている。表面の墨堂は中央に向かって窪んでおり、墨を溜めることが出来る。その言葉の如く、「長楽」 […]

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