嘉永年間に新たに出版された大字の千字文。末尾に「皆川麟之振蔵版」とあるが、版元の詳細は不明。学びやすい書体に努めているものの、書家の癖が所々に見られている。
千字文本文に注釈を加えるとともに、国読(読み方)を付した千字文の注釈書。版元の序文には、当時、出版されていた千字文には、誤りも多く、音訓を振るものについても、意味を正しく理解できず、初学に不向きである。そこで、改めて字義 […]
世話千字文とは、千字文に倣い、日常生活における教訓を四字の成語にまとめた書物で、「童宝必読」とあるように、子どもたちにも分かりやすく、読み方を振っている。御家流のお手本として、広く使われたものである。
「十体千字文」とは、明人の孫丕顕が編輯し、王基が校閲したもので、千字文を元にして、それぞれの文字におけるおよそ十種の書体を集めたもの。本書は、その「十体千字文」の利用の便に供するようにする索引付きのもの。出版を請け負った […]
本書は、貝原益軒(1630~1714)の遺稿より、天地開闢より近代に至るまでの歴史的出来事を四字成語にまとめ、読本ならびに手習いの手本としたもの。当館本は、大坂の敦賀屋九兵衛の板になるもの。挿図を多分に用いており、非常に […]
天保5年初版。第2版と3版とでは、冒頭の絵入り図版の内容が異なる。第2版の図版は、松川半山によるもの。 第3版の裏表紙に「清滝町/広部音吉 姫路市字鋳物師町/高嶋所持」の墨書がある。
浪華竹屋主人の序文によると、手習いのテキストとして知られる「世話千字文」の句言ごとに註釈を加え、絵図を加えて利用の便に供したもの。出版元と編述を担当した木村明啓(1793~1861)は友人関係にあり、その縁によって出版に […]
日本の篆刻家として名高い高芙蓉(1722~1784)の著述「漢篆千字文」四巻を一巻本として再編成し、出版したもの。芙蓉は、細井広沢(1658~1735)らの篆刻に飽き足らず、当時、中国より舶載された古銅印を研究し、その探 […]
源芙蓉稿本、曾学川増修。寛政丁巳三月柴邦彦(東讃?)叙。寛政丙辰細合半斎序、曾応聖(之唯)識。 漢字千字の篆書を四冊の本にまとめたもの。篆書の辞典とも言うべき書物で、明治前期頃の出版物。手習いに供されたもの。