享和3年(1803)に出版された「新百人一首」を明治24年(1891)、東京・博文堂より再版したもの。観峰館の収蔵本は再版にあたる。 折帖ではなく和綴本であること、冒頭に村田春海(1746~1811)の跋があるなど、装 […]
正式な書名は不明であり、管見の限りでは「国書総目録」にも掲載されていない版本である。表紙の墨書「百人一首」と、内題の「教草」を組み合わせたものだが、正式名称ではない。また、初版年も不明である。 その内容は、「教草」とあ […]
出版年は、他館所蔵本より、慶応元年(1865)とする。百人一首を中心に、女文章手引草が続く。冒頭には、女中四徳教訓、百人一首の由来を書き、頭書には婚礼式心得次第などがある。女性向けに作られた教養書といえよう。
明治時代に出版された、歌人の挿絵入りの百人一首の読本。冒頭の彩色頁に、描かれているのは、石山寺の紅葉を愛でる紫式部(生卒年不詳)である。式部は、石山寺にて源氏物語の構想を思い付いたという逸話がある。近江八景を盛り込んだ美 […]
百人一首の他、手紙の案文や作法などを載せる女子用の教養書。冒頭には「子の日の遊びの図」「かるた遊び図」など彩色刷りの挿絵が豊富にある。 春田篤次については詳細不明であるが、加賀(石川県)で出版業を営んでいた人物と思われる […]
「百人一首一夕話」は、江戸時代に学者である尾崎雅嘉(1755~1827)によって書かれた百人一首の解説書である。当時の町人階級が身につけるべきとされていた教養を、最小限に分かりやすくまとめたもので、その人気ぶりは、大石真 […]
この作品は、「源氏物語」全五十四帖の本文を書き写したもので、表紙は金銀砂子で千鳥や波模様を表現した豪華な装丁である。冊子は巻ごとにまとめられ、「若菜」を上下巻とするなど、基本に忠実であるが、「幻」の巻が抜け落ちている。
源氏物語の出版は、江戸時代に入って後、開始された。最初の木版本である無跋無刊記本は、寛永年間(1624~1643)に刊行され、その後、注釈書も相次いで出版された。 京都の蒔絵師である山本春正は、初学者のために絵入本の出 […]
能書家として知られる伏見天皇(1265~1317)が書き記した源氏物語本文の抜書の巻子。室町時代(14~15世紀)になると、物語文学の抜書が制作されるようになり、特に伏見天皇筆と伝わるものは多い。同種の作品としては、国立 […]