鷹硯

鷹が桃を啄む姿を硯縁に彫った硯。やや黄緑がかった石材は黎渓石である。黎渓石は、端渓と比べると鋒鋩が弱いが、帯状のものは特に珍重された。 裏面は、張照(1691~1745)が唐・崔琪の心教大師碑の中、「仙露明珠、詎能方其朗 […]

       

片雲仔石板硯

仔石硯は、水中で小石状の塊で採掘されたもので、石の髄が水中で磨かれるために、本来は丸味を帯びたものが多い。 本作は、その中でも板硯に近く、表面右下に僅かに雲紋が彫られている。小硯ではあるが、文人好みの優硯である

       

緑石鳳凰硯

孔雀が羽根を広げた状態を表わした、緑石の大硯。裏面には、乾隆帝の第11子・成親王(1752~1823)が、師傅であった朱文瑞より譲り受け所蔵していた旨の銘が刻まれている。本作の蒐集に際しては、日本習字教育財団の創立者・原 […]

       

瓦当硯

軒先や屋根の両端に使われた瓦当を硯として作ったもので、中央に「乾隆丁未(1787)」の銘文を持ち、周囲に「長楽未央」と鋳込まれている。表面の墨堂は中央に向かって窪んでおり、墨を溜めることが出来る。その言葉の如く、「長楽」 […]

       

瓦硯(健寧元年銘)

殷から漢代の出土品のうち、瓦を削り硯としたものを瓦硯という。硯としての実用性よりも、古物を文房具に作って愛玩するという文人の嗜みの一貫として作られたもの。 裏面に「健寧元年」とあることから、後漢時代(西暦168年)の瓦で […]

       

円硯

小型の円硯で、硯側や裏面に銘文が刻まれている。硯側の落款には、「父己鬲鼎壬辰八月句呉銭泳」とあり、銭泳(1759~1844)が道光12年(1833)に書いたとあるが、後世の創作である。 「父己鬲鼎」は中国・商末~周初期の […]

       

緑石群馬硯

緑石の中型の硯で、墨池には、森林の中に五頭の馬が集まる様子が彫られる。馬たちは、草原に寝そべったり、草を食んだり、自由に振舞っているが、左端の一頭のみが轡を付けられ、その紐が木にしばられている。主人の帰りを待つ一頭の馬に […]

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